今日は大阪のあべのハルカス近くのOVAL THEATER へ劇団冬の甲子園さんの『まだまだ先の春の話』を観に行ってきました。
『日本一長くちゅーできるお店』とかいかがわしい看板が並ぶ裏路地を抜けて劇場へ到着。ちなみに、上の地図のパン屋さんのとこを曲がって入ったらいかがわしい道通らなくて済みますのでご安心ください。僕はもう結婚しているので無理ですが、独身の方は一度突入してどんなお店かぜひ教えて欲しいと思いました。ただのセクシー系キャバクラだと思いますけど。
さて、作品は演技・演出・スタッフワーク繊細で熱量も高く非常に見応えがある舞台でした。
今回の主人公は学生の時に新人作家の登竜門的賞を獲った小説家のお話。この小説家(演者:宮本秀哲さん)の内面にはもう一人の自分(演者:イトヲさん)がいました。
小説家人生の袋小路、どん詰まり、どうしようもない状況になって書けなくなってしまった小説家がもう一人の自分に書けっ!て言われて、華々しい時間から転落してくまでの自伝的小説物語を苦しさに呻き声を上げながら執筆していきます。
その後にもしも小説家にならず普通の会社員になっていたら(現実の不幸がちょっと幸せな方に転んだ架空のお話)というカウンター的な物語が配置されていて。
絶望的な状況での幸せなifの世界は、精神の崩壊か自死を予感させます。
チラシ裏面の、絶望の先に何をみるのか、とありますが。
僕自身が最後に残ったと思ったのは、作家としての覚悟。物書きの本能。書き続けることでした。そして、タイトルからこの方は諦めずに書き続けたと思いました。そう、作中では彼がその後どうなったか語られませんが、タイトルに救われました。
あと、来週共演します、イトヲさんがやっぱり素晴らしかったです。とっても繊細な演技をされる方です。ぜひ京都の方にも観て頂きたい俳優さんですので、『タツノオトシゴが宇宙を泳ぐ時』こちらね、東山青少年活動センター、ぜひ足を運んでください。