『11年ぶりの出演でしたね』
終演後、脚本・演出の高間さんに言われた。
もうそんなに最後の出演から時間経っていたのか。
私が所持している自分が出演した笑の内閣のDVD。パッケージから確認できないが、10年くらい前。
ARTCOMPLEX1928は現在はギア専用劇場となっているが、昔は京都で旗揚げした劇団の登竜門的な役割を担っていた。
『次どこで芝居うつの?』
『アトコン(ドヤっ)』
ARTCONPLEX1928は建物自体文化財、天井も白くて照明の色作りも気を遣う、幕裏も狭い、正直使いやすい劇場ではなかったが、立地がよかった。河原町三条のアーケードを抜けた場所。普段観劇しない方に劇場の場所をお伝えするのも楽だった。
そんな劇場で笑の内閣が初めて公演をうつ時に声をかけて頂いた。
大阪プロレスに何度か練習に行った。
大学のプロレス同好会の方々に指導して頂いた。
とにかく痛くて、寒かった。(プロレス用のでかいマットを佛教大学の中庭に引っ張り出して雪が降る中稽古やっていた)
でも、当時、まあ今でもこんな芝居やっているところはなかったので、出来上がったらめちゃくちゃお客さんをびっくりさせることができるだろうと楽しく参加していた、記憶がある。
今回の『お正月だョ!走れメロス』
『これはお客さんが、びっくりする!ていうか、これ自分がお客さんとして観たい!』
企画書を頂いた時そう思った。
実はこの企画書を頂く前に、『東京ご臨終』という内閣の芝居を観た感想を高間さんに笑の内閣の芝居なのに全く笑えなかったから
『くそ芝居』
と感想をお伝えしていた。王将で二人でご飯を食べながら。
でも高間さんの創作意欲がそっちに向いている時それを尊重したほうがいいと思うので、その時は笑いを期待させないような名義や団体名を変えてやって欲しいとお伝えした。
案としては
『終末の内閣』
『終焉の内閣』
『終わりの内閣』
脚本・演出『勃禍魔響鬼』
これだったら、笑を求めて観る人はいないだろう。
そして僕が笑の内閣に求める芝居は『朝まで生ゴヅラ』のような変な人がたくさん出てくるくだらない芝居ともお伝えしていた。
詳しい内容はネットで検索していただければ。
どんどんどんどん、変な人が登場する傑作。
その後、何日かして今回のメロスのオファーがきた。
企画書だけでどんな役をやって欲しいなども書かれていなかったが、正直
『めちゃくちゃ恥ずかしい格好』
(女性用の下着をつけて仮面を被るとか)
をする覚悟をして、オファーをお受けしました。
まあそれは杞憂で。
実際街中でちょっと恥ずかしい格好をしたのは
他の方でした。
また話が逸れましたが。
今回のメロス。他では観ることができないものです。
途中で音声が途切れたり、ちょっと面白そうなセリフが聞こえなかったり。
それでも画面の無向こう側で『何かが起こる気配』が飽きさせません。
まだ録画された作品を観るチケットが販売されていますので、よろしければ。